Japanese
English
特集 小児の切断
小児切断―下肢を中心として
Amputation in children
福沢 玄英
1
Gen-e FUKUZAWA
1
1神奈川県立身体障害者更生指導所回復指導課
pp.165-168
発行日 1973年3月15日
Published Date 1973/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100585
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はじめに
四肢切断の高位決定にあたっては,義肢を装着する場合のみならず,義肢を用いない場合の機能をも考慮して決定されるべきである.従来,広く参考とされて来たzur Verth等の模式図は義肢装着の面より考えられたものであり,現在では工学関係の発展に伴う義肢の急速な進歩と相まって,多くの場合,良い断端が得られる限り,可及的長く断端を残すよう努力せねばならない.
一方,小児切断は,先天性切断と後天性切断に分つことができるが,前者にあっては義肢装着時期および方法が問題であり,後者では小児が成長期にあるということよりして,成人におけるそれとは異なった問題を含んでおり,また,将来の職業への可能性,精神的影響など考慮する必要があり,その実施にあたってはより一層慎重であらねばならない.
最近の機械工学の発達は交通災害など各種の災害の増加をもたらし,ひいては小児をして切断の止むなきにいたらしめる外傷も増加の傾向にあり,私どもにとってゆるがせにできない問題となって来ている.
上述のことよりして,私はかつて,今迄に経験した小児切断120例130切断中69例79切断について,再度直接検診を行ない,小児切断の現況を知るとともに,問題点を分析したので,今回はこれをもとにして(表1-6),小児切断(主として下肢)について記したい.
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