特集 脳卒中のリハビリテーション
Ⅱ 臨床病理
脳障害部位と局所症状
永江 和久
1
1九州大学第2内科
pp.409-415
発行日 1971年11月9日
Published Date 1971/11/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100493
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はじめに
脳障害によって引き起こされる精神神経学的症状は,多岐にわたり,特定の部位の障害が特定の症状を起こすとはかぎらず,またある症状が脳障害の部位を示すともかぎらない.しかしながら,最大公約数的な意味で,脳障害部位と症状の関係を知っおてくことは,ある症状を手がかりとして未確認の症状を確認すること,その症状が単発性病巣によるか,多発性のものか,その大きさや広がりがどの程度のものか,などを推定するうえで重要である.
脳障害の結果起こる諸症状は,またその発生のしかた,原因によっても異なってくる.ここでは脳血管性障害後遺症の症状を失語,失行,失認の面から述べ,その障害部位との関係を記すことにする.神経症状に関しては,本誌の亀山3)の論文に詳述されている.
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