今月の主題 新鮮脳卒中
予後
脳の障害部位と片麻痺の予後
亀山 正邦
1,2
1東京都養育院付属病院
2東大
pp.58-59
発行日 1973年1月10日
Published Date 1973/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204558
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障害部位と片麻痺の重症度―588例の統計から
片麻痺の重症度および予後をきめる第一のものは,いうまでもなく,脳の障害部位である.表に脳血管発作初発時の臨床症状およびその経過と,剖検によってそれに対応する脳血管病変の明らかな588例について,脳病変の部位と予後との関係を示した1).症例はすべて浴風会病院のもので,年齢は60歳以上である.高齢者が多いため予後の悪いものが少なくないが,病変部位と予後との相対的関係を知ることはできる.
表において,中大脳-・前大脳-・後大脳動脈領域および半卵円中心とあるのは,すべて硬塞例である.外包・内包障害のうちの死亡例は1ateratypeの大出血を,視床障害のうちの死亡例はすべてmesial typeの大出血を示している.回復良とは,ほとんど完全に回復したもの,中等度とは,自足的な生活は可能であるが,後遺症をのこすもの,不良とは自足的な生活が不可能のものを示している.
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