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はじめに
リハビリテーション医療を行なう場合,評価会議の意義とか目的は周知のとおりであり,リハビリテーション医療に携わる病院,あるいは施設といわれる所では,それぞれの形式に合わせた評価会議が行なわれていることと思う.しかし,この評価会議の内容は,というとあまりにも軌道に乗せられた宇宙船のような進行ぐあいになっていないだろうか.
患者の全体的評価を行なうことは,正しいリハビリテーションサービスを遂行する際に踏みはずせないステップであり,これを成さずして治療プログラムの設定は考えられない.しかしながら,患者の全体的把握にあまりにも重点がおかれ‘現状がこうあれば,これからどのようにapproachしてゆくべきか’という点についてのディスカッションの場としての評価会議が置き去りになりがちではないだろうか.
虎の門病院分院においては,毎週1回,各科からreferredされる患者につきInitial Evaluation ConferenceあるいはRe-evaluation Conferenceを行なっている.評価会議に出席するメンバーは,主治医・整形外科医・神経内科医・脳外科医・看護婦・PT・OT・MSWで,患者の状態に応じ精神科医・耳鼻咽喉科医の出席がある.会議の進行には,整形外科医があたり,順序として主治医から既往歴,現病歴などの説明があり,続いてpara-medical staffの報告がなされる.この報告終了後,各症例ごとに,患者のpresentationを行ない,神経学的,整形外科的な再検査,会話や機能的なdemonstrationが行なわれる.患者退場後,各出席者間の情報交換が行なわれて,最後に,治療プログラムが作成される.一症例に費す時間はだいたい40分であるが,時間的制約を設けていないので議論が灼熱してくると,1時間近くかかる場合もある.
ここで,当病院で行なわれる評価会議の模様を再現してみよう.
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