臨時増刊特集 臨床医のためのCTスキャン
後頭蓋窩腫瘍
小脳虫部腫瘍(Medulloblastoma)
pp.2081-2082
発行日 1981年11月20日
Published Date 1981/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217445
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成人では転移性脳腫瘍が小脳虫部に生ずることがあるが,何といっても小児の髄芽腫(medulloblastoma)が,虫部腫瘍の代表的なもので約75%はこの部位に発生し,第4脳室あるいは大槽へと進展するが,通常central locationを示すのが特徴的である.造影前には,やや高吸収値を示すものが多く,通常,腫瘍全体に比較的均等な増強効果を生ずる.周辺には浮腫による低吸収域を伴い,橋前槽,小脳橋角槽および第4脳室は圧迫狭小化して描出されない(図12).第4脳室後部付近に生ずるため,早期に閉塞性水頭症をきたすのも特徴的である.さらに髄芽腫は上衣細胞腫,松果体腫などと同様に,しばしば髄液を介して脳室壁やクモ膜下腔に播種性転移(seeding)をきたすことがあるが,この診断に関しては今日のところCTにまさるものはない(図13).
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