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講座
電気療法(7)―基礎から臨床へ
Electrotherapy (part 7)
玉川 鉄雄
1
Tetsuo TAMAGAWA
1
1東大物療内科
pp.117-122
発行日 1970年4月9日
Published Date 1970/4/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100306
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低周波療法の目的
現在主流となっているのは,神経麻痺によって自動運動が不能となった骨格筋に電流刺激を加え,その廃用性萎縮***を予防し,かつ他動的運動療法として,それを利用することである.
さらに,最近は鎮痛療法の目的で,低周波の研究が進められている.日本で現在市販されている低周波治療器機は,一般に5-1000Hzの周波数を持ったものであるが,鎮痛に用いられるのは3-5kHzを100Hzぐらいの正弦波で変調したものである.一般に変調(Moduration)というのは図55で示すように,低周波などを,他の周波数,一般には1Hz以下のゆっくりとした波に応じて,振幅を変えてやることで,中波放送などに用いているやり方に似ている.これを振幅変調というが,治療上からみたこの目的は,もとの周波数を大きくして皮膚の電気抵抗を低め(皮膚抵抗は純抵抗ではなく,容量を持った一種のインピーダンスであるから,周波数によって抵抗が変わる)電流が皮膚を通りやすいようにして,鎮痛の目的を達しようとするものである.この際の鎮痛効果は,電流による特異的なものではなく,むしろ血流改善による間接効果で,機構的には,その近辺の筋肉の律動的攣縮,いわば電気的マッサージ効果によるものであるとしている.
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