Japanese
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講座
温熱療法の原理
The principles of thermotherapy
山崎 忠
1
Tadashi YAMAZAKI
1
1リハビリテーション学院
pp.45-49
発行日 1969年12月9日
Published Date 1969/12/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100271
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Ⅰ.はじめに
この世に生命をはぐくみ続ける太陽に,人間が神とも母親ともいえる安らぎを覚えたとしても何のふしぎもないであろう.その安らぎに温熱の持つ包み込むような陶酔感は測り知れぬ役割を果たしている.宗教的とさえいえる人間の温熱への執着が生命との強い結びつきを物語っているともいえる.遠い昔から苦痛にあえぐ人間や動物が温熱を求めたのも当然といえばいえる.そして今日に至っては,温熱療法を取り入れない病院や施設は皆無とさえ断言してよいほどに広まった.
だが私たちは温熱療法の持つ科学性を十分認識しているだろうか.多くの疾病を治してきたという事実と神秘性に負いすぎることはないだろうか.それが何であるかを常に求め,明らかにする努力があってこそ数千年の歴史が現代から未来に生きるならば,よく知られた温熱療法の原理を今一度ここで考える必要があろう.
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