Japanese
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研究と報告
われわれの考案した筋群力計
Our New Equipment for Measurement of Muscular Strength
秋元 久實
1
Hisami AKIMOTO
1
1厚生年金登別整形外科病院
pp.54-57
発行日 1968年12月9日
Published Date 1968/12/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100168
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はじめに
ある筋群の作業能力を把握することは,私たちの場合,治療開始前の実態把握によって,その治療方針を決定するために,またそれまでの治療法の検討やいろいろの治療法の比較のために,さらには治療を終える時期を決定するために,きわめて重要なことである。
さて,筋群の作業能力の評価はいろいろな面からなされねばならないが,もっとも問題にすべきは,①筋群1回収縮時の最大筋力,②筋群が最大何回収縮弛緩をくり返しうるか,③どのくらいの力(重さと時間)に収縮を持続しうるか,ということに焦点をしぼることができるであろう。
われわれはこの考えに基づいて,①と③の要件を知るため,1956年に握力計に工夫を加えて1種の筋力計を作り,さらに翌年,②の要件を検索するための筋力計を試作した。しかして,これら一連の筋力計は,いずれも筋群力低下が正常の50%以内のものを対象とすることを考えたものである。もっとも筋力度3以下の場合,徒手テストでまにあわせているが,筋力度4以上正常5まではもっと細かく,あるいはこれを数量的に把握するほうがより合理的であると考えたのであった。
このような考えで今回試作した筋力計は,計測法からいって個々の筋の力を測るものではないから,むしろ筋群力計と表現するのが正しいと思う。
また本器で読みとられる数字は筋群の絶対筋力ではないので,私たちは相対筋群力と表現した。したがって,以下の筋群力に関する数字は,すべてこの相対筋群力を意味するものである。
筋群力計は連続筋群労作描記器と積算筋群労作描記器との2種類からなる。
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