検査を築いた人びと
体温計を考案した カール・ウンデルリッヒ
酒井 シヅ
1
1順天堂大学医史学
pp.970
発行日 1983年11月1日
Published Date 1983/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202891
- 有料閲覧
- 文献概要
医療器具のなかでもっとも普及している物は体温計である.ほとんどの家庭にあり,体調の思わしくないとき,それで熱の有無を知り,医者に行くかそのままにしておくか自己診断をする大事な道具である.ところでこの体温計が病院で日常的に用いられるようになったのは聴診器より遅かった.1868年のカール・ウンデルリッヒ(1815〜1877)の「病気と体温の関係」の出版以降のことである.同書に,体温の変化が疾病診断と経過の判定にきわめて有効であることが初めて示された.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.