特集 脊髄損傷のリハビリテーション
脊髄損傷者の体力医学的研究
今井 銀四郎
1
1国立箱根療養所医務課・整形外科
pp.6-10
発行日 1967年11月9日
Published Date 1967/11/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100056
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はじめに
われわれはここ数年来,脊髄損傷者の残存機能・体力について研究を行なってきた。そのわけは過去約10年にわたってわれわれが患者に行なってきた機能訓練について,その方法が適切であるかどうか,それらが患者に対してどの程度の負担となっているか,いいかえればトレーニングとしての強さはどのくらいか,また,その結果がどうであるかなどを知るためである。
脊髄損傷“患者”が脊髄損傷“者”として社会に復帰するためにはいろいろな条件を備えなければならないが,その中で,体力は最も必要な条件の一つであると考える。われわれが脊髄損傷患者に施行する医学的リハビリテーション,機能訓練の大きな目標も脊損患者の体力づくりであり,そのためにいろいろなトレーニングが行なわれ,スポーツが実施されている。
私はこの機会に,脊髄損傷に対するリハビリテーションを体力医学的な立場から観察した研究結果をここに紹介し,皆様のご参考に供する次第である。なお,紙数制限の関係上,データーのすべてを図示,表示することができなかったことをご容赦願いたい。
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