目でみる耳鼻咽喉科
弛緩部病変
天津 睦郎
1
1神戸大学医学部耳鼻咽喉科
pp.404-405
発行日 1982年6月20日
Published Date 1982/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209445
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弛緩部病変の代表は何といっても上鼓室真珠腫にみられる穿孔といえる。この穿孔は上鼓室と外耳道が交通する本来の意味での穿孔ではないが,通常,穿孔と呼ばれることが多い。弛緩部から上鼓室側壁の欠損を伴って,その中に真珠腫塊を認める典型的な上鼓室真珠腫以外に真珠腫嚢の感染性肉芽が弛緩部から外耳道内に突出していたり,滲出性中耳炎ではしばしば弛緩部の陥凹が認められ,時として真の穿孔を弛緩部にみることすらある。また弛緩部の浅い陥凹が重篤な炎症を伴って驚かされたりすることがある。今回は,これら弛緩部の病変を呈示する。
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