特集 耳鼻咽喉科MEの進歩
VIII.補助器
人工喉頭
今泉 敏
1
Satoshi Imaizumi
1
1近畿大学医学部耳鼻咽喉科
pp.919-922
発行日 1981年10月20日
Published Date 1981/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209344
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I.はじめに
喉頭癌や下咽頭癌,頸部食道癌などの治療のために,喉頭全摘術を受けた無喉頭者は喉頭による発声機能を失なう。これらの人々が社会復帰するためには,食道音声や各種人工喉頭による代用音声を用いて音声言語を再獲得しなければならない。
代用音声の方法には,器具を使うものや,使わないものなど種々のものがある。その内で人工耳喉頭は最も修得が容易な方法として,食道音声の修得に困難を訴えた無喉頭者を中心に使われてきた。特に電動式人工喉頭は,今後その機能を飛躍的に増進させる可能性があり,使用者も増加しつつあると言われている。そこで本論文では,各種の代用音声の方法とそれらの得失について述べ,これらの方法の内で,電動式人工喉頭がどのような発展の可能性を持つかについて簡単に論ずる。
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