特集 耳鼻咽喉科MEの進歩
VIII.補助器
補聴器と周辺器機
大和田 健次郎
1
Kenjiro Owada
1
1福生病院耳鼻咽喉科
pp.913-918
発行日 1981年10月20日
Published Date 1981/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209343
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
I.はじめに
感音難聴で治療効果がない場合には,聴力を補う方法として補聴器が使われていた。しかし一般に補聴器に対する関心が少なく,補聴器が有効に使われていたとは思えない。耳鼻科医は補聴器をよく知らず,補聴器販売者ば難聴を知らず,また難聴者は補聴器選択の基準をもたないということが大きな理由であろう。
わが国で補聴器が作られ普及され始めてから20年以上経過しており,その間に,構造上にも回路にも進歩がみられる。また,補聴器の諸特性を聴力に合わせるために,補聴器特性を測定する機器も一般化され,操作も容易になっている。これらの進歩は,製作部品の小形化によるもので,ICやLSIなどが取り入れられたからである。しかし難聴耳でのききとりの良さについては,まだ満足すべき段階でなく,聴く訓練の方法についても今後の研究が必要である。
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.