鏡下咡語
補聴器残念録終章
大和田 健次郎
1
1東京学芸大学
pp.642-643
発行日 2005年8月20日
Published Date 2005/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100177
- 有料閲覧
- 文献概要
1.はじめに
長期間にわたり補聴器に関与してきた。補聴器の供給や販売方法に多くの疑問を持った。その改善にはほど遠いと思われ,補聴器残念録を2回記述した。いつまでも残念ではいたしかたないので,締括りにこれまでの経験を基に補聴器将来の方向について,私見を述べることにする。
補聴器のフィッティングとは,難聴による言葉の聞き取りの悪さを改善するように補聴器を選び調整する。これは,概念的表現で具体的方法になると極めて難かしい。フィッティングには,まず聴覚を測定し,その結果から何を補うかを決めて補聴器を準備する。難聴者がそれを使用して不満のないように再調整する。これが概略であるが,よく考えてみると多くの矛盾がある。それを述べるが,解決は容易でない。
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.