講座
難聴と補聴器
大和田 健次郎
1
1慶大医学部
pp.53-56
発行日 1958年5月15日
Published Date 1958/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910606
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物音にふと眼をさますと……などと耳は寝ていても働いている。踏切などではstop!Listen!Look!など書いてあつて,まず音をきけというわけである。動いている機械の調子や,ねじのゆるみなど熟練した人は音でききわける。生れてから言葉を覚える前に聴力を失うと,物の名も覚えられず,字の発音もわからず,物と字のつながりも,従つて他の人々との意志の通じようもない。
聴力が日常生活に果す役割がいかに大きいか今更言うまでもないことである。
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