特集 耳鼻咽喉科MEの進歩
I.耳科
蝸電図
栅橋 汀路
1
Teiji Tanahashi
1
1名古屋大学医学部附属病院分院耳鼻咽喉科
pp.703-712
発行日 1981年10月20日
Published Date 1981/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209314
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蝸電図etectrocochleogram ECoGは音響刺激によってヒト蝸牛に生ずる反応電位の蝸牛マイクロフォニックスCM,加重電位SP,聴神経複合活動電位APを近位電極(鼓室岬や外耳道)と遠位電極(耳垂や乳突)との間にできる電位差としてとらえ,相互相関の手法により生体雑音より反応電位を取出して記録したものである。それ故蝸電図は刺激音の周波数と音圧と測定された反応とによって蝸牛の生理学的検査を可能にし,障害された蝸牛の病態生理を知ることができる。生理学と蝸電図とでは測定方法が異なるため生理学的に得られた病態蝸牛からの成果を蝸電図診断に応用するには尚検討を要する点も存在するが,現時点における蝸牛病態を知るに最も有用な方法であり詳細な情報を提供してくれる。
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