特集 耳鼻咽喉科MEの進歩
I.耳科
インピーダンス・オージオメトリ
船坂 宗太郎
1
Sotaro Fnasaka
1
1東京大学医学部分院耳鼻咽喉科
pp.696-702
発行日 1981年10月20日
Published Date 1981/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209313
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
I.はじめに
インピーダンス・オージオメトリの普及は,ここ2〜3年の間めざましいものがある。しかしその反面,基本的な点の検討がおろそかにされている向きがないでもない。たとえば,tympanogram(以下TGと略す)は何を測っているのか,耳小骨筋反射(以下ARと略す)の曲線は何を表現しているのか,市販機器で測られた中耳インピーダンスとは何であるのかなどである。
2年前,インピーダンス・オージオメトリが普及しはじめた頃,筆者はいわば手引きの積りで簡単な解説を行った。しかし普及の著しい今日,単に手引きでなくもう少ししっかりとした解説が必要であると常々感じていた。ところが,先にあげたような疑問に答えている解説書は今のところ見当らないと見受けられる。そこでこの際インピーダンス・オージオメトリの基礎的な点をやや詳しく述べ,ついで市販機器のいわば測定原理に言及して,その方式の特微を論じることにした。
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.