特集 耳鼻咽喉科と感染症
III.各種感染症—診断から治療の実際まで
細菌感染症
相川 直樹
1
Naoki Aikawa
1
1済生会神奈川県病院外科
pp.773-781
発行日 1980年10月20日
Published Date 1980/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209147
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I.はじめに
細菌感染症は,近年次々と開発された化学療法剤の使用により,その治療成績は目覚ましく向上したが,その反面,多剤耐性菌による院内感染や,ブドウ糖非醗酵グラム陰性桿菌による感染症の増加など新しい問題が起こってきている。これは,日常の患者管理にあたる臨床医家が,細菌感染症と化学療法に関する十分な基礎知織を持たずに化学療法剤を安易に使用してきた結果といっても過言ではないであろう。
本稿では,細菌感染症の病態の理解と診断・治療に必要な臨床細菌学,臨床薬理学について簡単に解説し,日常の診療にあたってのいくつかの注意点についてふれてみたい。
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