"なぜ診断できないか"を科学する・3
細菌感染症とウイルス感染症の違いは?
江村 正
1,2
1佐賀県医科大学総合診療部
2現:ミシガン州立大学家庭医学科
pp.255
発行日 2002年3月15日
Published Date 2002/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414903490
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急性の発熱患者を診た時に何を疑うかは,診療を行っている場所や状況によって異なるであろうが,通常の外来ではウイルス性の気道感染症が圧倒的に多い.細菌感染症を見落としてはならないが,可能性が否定できないからといって,誰にでも抗生物質を処方するというのはいただけない.では,細菌感染症とウイルス感染症を鑑別するのに何か良いポイントはあるであろうか.
インフルエンザを思い浮かべて欲しい.悪寒,高熱,頭痛,全身倦怠感,食欲不振,咽頭痛,咳,鼻汁など,程度の差はあれ,さまざまな症状を患者は訴えて来る.では,肺炎や慢性閉塞性肺疾患の急性増悪はどうであろうか.主訴はおそらく,発熱,咳,疾であり,咽頭痛や鼻汁は多分訴えないであろう.
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