臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント
I.感染症
感染症の新たな問題
18.院内感染症—術後感染症
相川 直樹
1
,
石引 久弥
2
Naoki Aikawa
1
,
Kyuya Ishibiki
2
1慶応義塾大学医学部・外科
2慶応義塾大学医学部
pp.2102-2104
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218559
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症例
胃癌術後敗血症
患者:74歳,男性.主訴:吐血.現病歴:吐血を主訴に来院.胃透視,内視鏡にて噴門部の胃癌と診断された.10月13日胃全摘・Roux-Y吻合術,脾摘術を施行した.
術後経過順調であったが,低蛋白血症あり,輸血,血漿投与とともに,栄養補給の目的で17日に中心静脈カテーテルを左鎖骨下静脈より挿入,IVH(intravenous hyperalimentation)を開始した.23日突然40.7℃の発熱を認め,不穏状態となった.白血球数10,500,血小板減少,LDH上昇あり,臨床的に敗血症と診断した(図1).
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