今月の主題 輸血・細胞療法と臨床検査
特殊検査
輸血による細菌感染症
高橋 雅彦
1
,
名雲 英人
1
,
佐竹 正博
1
Masahiko TAKAHASHI
1
,
Hideto NAGUMO
1
,
Masahiro SATAKE
1
1東京都赤十字血液センター医薬情報課
キーワード:
ウインドウ期間とNAT
,
輸血感染症
,
細菌汚染
Keyword:
ウインドウ期間とNAT
,
輸血感染症
,
細菌汚染
pp.1131-1140
発行日 2004年10月15日
Published Date 2004/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100569
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〔SUMMARY〕 海外で問題となっている輸血関連の重篤な副作用として,ABO不適合輸血,輸血関連急性肺傷害と並んで細菌感染症がある.わが国における輸血による細菌感染症の実態は不明であるが,2000年の副作用調査から肺炎球菌に汚染された血小板輸血後に死亡した例が報告されており,軽視できない状況にある.輸血用血液への細菌混入は,無症侯の菌血症ドナーからの採血や穿刺部位からの混入である.現在,細菌汚染などのリスクの低減化をめざし普遍的保存前白血球低減化,初流血除去,病原体微生物の不活化,細菌スクリーニング検査の導入について検討が進められている.〔臨床検査 48:1131-1140,2004〕
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