特集 今日の耳鼻咽喉科
日常診療に必要な知識
薬物
自律神経遮断剤の適応の選択と用量用法
土屋 雅春
1
,
萩原 魏
2
1慶応義塾大学医学部内科学教室
2横浜市民病院内科
pp.835-846
発行日 1979年10月20日
Published Date 1979/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208976
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I.はじめに
咽頭,頸部をはじめとする耳鼻咽喉科の領域には神経系が豊富に分布している。したがつてこれらの部位の病変はもとより単なる機械的刺激によつてもしばしば生体に異常反応をひきおこし,局所以外の全身諸臓器に軽重さまざまな病変を招くことがある。これは主として知覚性求心性自律神経および遠心性自律神経を介してひきおこされるものと理解されている1)2)。
したがつて,耳鼻咽喉科領域における各種自律神経遮断剤の適応の選択とは,単に局所病変にもとずく不快感,疼痛などを除去することだけでなく,局所病変によつてひきおこされる2次的な全身諸臓器の病変を回避することと理解されるべきである。
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