創刊50周年記念特集 今日の耳鼻咽喉科/治療のコツと全身管理
特殊患者に対する治療上の注意点
呼吸器疾患のある時
小野寺 壮吉
1
1旭川医科大学第一内科
pp.890-891
発行日 1978年10月20日
Published Date 1978/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208791
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耳鼻咽喉科学の対象臓器は,感覚器としての聴音・平衡系,消化器では口腔の一部と食道,呼吸器については上気道を包含する。したがつてこれらを分けて取り扱つた方が便利なこともある。一般に呼吸器科の取り扱う呼吸器は気管から末梢,一方,耳鼻咽喉科で取り扱うのは気管から上部で,気管は重なり合う領域である。胸腔の内外というあたりが,大凡の目安であろう。
耳鼻咽喉科疾患の診療において背景に呼吸器疾患があるような場合,まず,重症な呼吸器疾患や低肺機能者に耳鼻咽喉科的処置を行なう際の一般的注意事項がある。第2には,一部の上気道疾患のように,明らかに臓器連続性の上に立つて,共通の病因をもつ場合がある、第3には,耳鼻咽喉科の検査や診断の過程で,呼吸器疾患と共通の徴候が見出されることがある。
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