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睡眠時無呼吸症候群と循環器疾患の深いつながり
川名 ふさ江
1
1虎の門病院臨床生理検査部
pp.1016-1021
発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100216
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睡眠時無呼吸症候群とは何か?
睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome;SAS)は,2003年2月に体重100 kgを超える新幹線運転士が起こした居眠り運転事件以来,肥満と無呼吸についての社会的認識が飛躍的に高まっている.さらに近年,その病態について,特に心血管障害との関連がクローズアップされてきた.そこで,循環器疾患患者に高頻度に見られるSASとはどんな疾患なのか,さまざまな病態と合併症のメカニズム,診断法,治療法,看護師に求められている役割について述べる.
・SASの分類
SASは,1976年にGuilleminaultらが62例の症例を発表したのが最初の報告である1).10秒以上の呼吸停止を無呼吸とし,1晩に30回,または1時間当たり5回以上の無呼吸が出現することをSASと定義している.また,完全な無呼吸にはならなくとも,「低呼吸」という換気量の低下した状態が10秒以上続く場合も同様である.
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