創刊50周年記念特集 今日の耳鼻咽喉科/治療のコツと全身管理
鼻—症候と疾患
嗅覚障害
梅田 良三
1
1金沢大学医学部耳鼻咽喉科
pp.774-775
発行日 1978年10月20日
Published Date 1978/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208734
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嗅覚障害の治療にあたつては,まず障害部位の判定が大切である。嗅覚障害の臨床的分類としては,(1)呼吸性,(2)末梢神経性,(3)中枢神経性,(4)混合性に分けるのが一般的であるが,最近私は,(2)をさらに嗅粘膜性と狭義の末梢神経性(嗅糸性)とに分けている。このことは,炎症などによる嗅粘膜表面の障害が主となるものと,自動車事故などによる嗅糸の離断や損傷が主となるものとでは,まつたくその予後が異なり,後者の予後がきわめて悪いことからも妥当ではないかと考えている。嗅覚に関しては,なお未解決の問題点も多く,個々の症例につき毎常障害部位を確診できるとは限らないが,その努力は必要であり,以下私が行なつている診療法につき述べる。
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