創刊50周年記念特集 今日の耳鼻咽喉科/治療のコツと全身管理
鼻—症候と疾患
後鼻漏
酒井 俊一
1
1大阪回生病院耳鼻咽喉科
pp.772-773
発行日 1978年10月20日
Published Date 1978/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208733
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鼻腔粘液層の生理
鼻,副鼻腔粘膜は呼吸上皮によつて被われ,その表層は線毛細胞と杯細胞からなる。杯細胞ならびに深層にある腺細胞から分泌された粘液が粘液層(mucous blanket)を形成し線毛運動によつて前方より後方へと流れている。その速度は毎分4〜6mmであり,1日の粘液量は約1000ml,うち700mlは吸気に湿度を与え,残りはmucousblanketによつて咽頭へ運ばれているといわれている。線毛運動は10℃以下の低温で停止し,50%の湿度が続くと破壊される。また生理食塩水では変らないが,蒸溜水,キシロカイン,アドレナリンなどに触れると運動が障害される。
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