創刊50周年記念特集 今日の耳鼻咽喉科/治療のコツと全身管理
耳—症候と疾患
滲出性中耳カタル
河本 和友
1
1東北大学医学部耳鼻咽喉科
pp.740-741
発行日 1978年10月20日
Published Date 1978/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208717
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1950年Hoopleが"Otitis media with effusion,A challenge to Otolaryngology"と題し,耳管の機能不全(換気,排泄)により中耳に液体の貯留をきたす本症が次第に増加の傾向にあり,かつその増加の主体が幼小児である点,耳鼻科として今後大きな問題になると警告を発し,1954年にはArmstrongがその治療に経鼓膜的チューブ挿入療法を紹介している。
しかし,なぜかその後十年特別な関心もなく経過し,欧米の雑誌にチューブ挿入療法を含め,本症の基礎的,臨床的論説が驚くべき数に見られ初めたのは1964年頃であり,本邦における急増現象の指摘はさらに十年後のことになる。
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