特集 滲出性中耳炎—最新の知見—
滲出性中耳炎の臨床像
河本 和友
1
1東北大学医学部耳鼻咽喉科
pp.713-720
発行日 1984年10月20日
Published Date 1984/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492209838
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I.はじめに
本症の詳細な記述を行ったPolitzer1)の報告以来でもすでに1世紀以上を経過した,かなり古くからある病態にもかかわらず,最近再び大きな関心事となって浮かび上がってきたのは,本症の急激な増加傾向に起因するところであり,Hoople2)のOtitis media with effusion.A challenge to otolaryngology.にその端をうかがうことができる。
本症に関する国外の論文数の推移を見るに1960年代に入ってから,やっと増加の傾向を示し,多くの関心が高まるには10年以上の歳月を要し,本邦ではさらに10年以上の遅れとなっている(図1)。
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