創刊50周年記念特集 今日の耳鼻咽喉科/治療のコツと全身管理
耳—症候と疾患
急性中耳炎
大内 仁
1
1福島県立医科大学耳鼻咽喉科
pp.742
発行日 1978年10月20日
Published Date 1978/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208718
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抗生物質の登場以来,急性乳様突起炎をはじめとし,重篤な耳性合併症が著減したことは周知の事実である。このことをもつて急性中耳炎の予後がよくなつたといわれるわけだが,急性中耳炎の治癒が全般的にうまくいつているかどうかについては,疑問なしとしない。多くの場合,抗生物質投与により急性中耳炎の症状所見が容易にかつ急速に改善することは事実である。しかし反面,多くの諸家が指摘しているように,特に幼小児において滲出性中耳炎の激増が見られている事実は,手軽に使用出来る薬剤に頼るあまり,急性中耳炎の治癒がいうならば不完全なものが多くなつていることを示すもので,その本質的な治療がなおざりにされていることを指摘せねばならないと思う。以下の記載は,コツというほどではないが,私の外来で,医局員諸君にやつてもらつている方法をしるしたものである。
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