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現在,聴覚機構に対して電気生理学的手法を用い,その機序を解明しようとする試みは種々の角度から行なわれており,近年の弱電機器の発達と神経細胞生理部門の進歩によつて,さらに一段とその成果を修めつつあり,年々多くの報告が見られる。また一方,臨床的に蝸電図の流行を見,臨床医も容易に人体内耳の,あるいはそれより上位の各種電位を拾う事ができるようになつた。これに伴つて,そのデーターの読みに対する予備知識と,蝸電図の基礎としての内耳電気生理の総まとめ的文献が散見される1)〜4)。しかし一方,内耳における聴覚機構に対して電気生理学的に何が解明されているかについて考える時,余りにも不明の点が多いのに落胆させられると同時に,また意欲を燃やさせられてきた。今回は内耳の電気生理を日常研究しておられる方々にとつてはいまさら述べるまでもない事であるが,他の方々に対して,普通文献には解つている事だけが都合よく書いてあるばかりの事が多いので,一般的に内耳における聴覚電気生理的事項の中,どのような点が不明確なのかを書き出してみることにした。
まず内耳の機能というものは,一口にいつて伝音機構を介して伝えられた物理的機械的刺激を,第8脳神経に対する適合刺激に変換する所である。この事は確かである。しかし何がどうして適合刺激となるのかという事がまつたく解らないのである。
The author emphasizes that the increment and decrement of EP and INP may not be fully explained by changes the CM, nor should the resistance modulation hypothesis be fully explained. And, the value of CM appears to be too small in scientifically representing the electrical potential of the eighth nerve synapsis.
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