特集 症状からみた検査のすすめ方
突発難聴
立木 孝
1
1岩手医科大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.637-640
発行日 1974年10月20日
Published Date 1974/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208117
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難聴という自覚症の発生には,大別して2つの形がある。1つは何時の間にか形成されているいわば緩徐型の発生であり,1つはある時突然起こるいわば急性型の発生である。前者の場合は程度が進んでも愁訴としては軽いことが多く,後者の場合は比較的軽度のものでも訴えとしては強いことが多い。
突発難聴という症状は,急性型の発生を示す難聴の中で,その発生が特にきわだつて急激であり,ある瞬間に突如として難聴が形成されるものを指して呼んでいる。
一般に,難聴の発生は緩徐型のものが圧倒的に多く,急性型は少ない。特に突発する難聴は頻度としてはさらに少ない。それにもかかわらず,この種の難聴が臨床上特に注目されることが少なくないのは,主として次の2つの理由によるものと思われる。
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