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I.はじめに
袋耳・埋没耳(pocket ear・cryptotia)とは耳介上部の耳輪が側頭部の皮下に埋没して牽引すると容易に引き出せるが,はなすと元にもどつてしまう先天性耳介奇形である。
欧米においてはぎわめて稀な奇形であるが,わが国では1930年久保がTaschenohrと命名して以来,比較的多くみられる。
この治療法には非観血的療法と観血的療法とがあり,ことに後者には久保1),荻野2),福田3)らによつて数多くのすぐれた方法が考案されて,広く用いられている。しかしこれらの方法は埋没耳を引き出し,再発をおこさないことを最重点と考えている。耳介形成の評価は外形もさることながら,顔の正面からみた耳介の聳立度ならびに耳輪上行部のきれいな立ち上がりが,患者にとつて整容的に重要と思われる。
著者らは従来の方法では,耳輪上行部の前面にflapの縫合部が少しでもおよぶことから,これをさけるために一工夫を案出し目的をはたしたので,ここに報告し諸家のご批判をあおぎたい。
A new method of making incision for surgical correction of auricular malformation as in an imbedded ear, giving satisfactory appearance from the frontal as well as the posterior view, is reported. The procedures are described in detail. According to the imbedment the final skin closure may be made by a simple apposition or by employment of skin graft.
Considering the psychological effect of the ear malformation upon the developing child, the authors state, the age of 2 or 3 would be the optimum age for the operation.
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