Japanese
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神経耳科アトラス6
神経耳科学の検査法(その3)—身体動揺検査
Neurotological Examinations (3) Equilibrium Test of the Body and Extremities
川野 六郎
1
,
徳増 厚二
1
Rokuro Kawano
1
,
Kohji Tokumasu
1
1北里大学耳鼻咽喉科
1Dept. of Otorhinolaryngology, School of Medicine Kitasato University
pp.1271-1275
発行日 1972年10月1日
Published Date 1972/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203196
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はじめに
病的な身体動揺は躯幹,四肢の平衡機能に破綻が生じた場合に現われてくる。視器,迷路,自己受容器,外受容器からのimpulseを小脳,脳幹などの中枢神経系が統御し,躯幹,四肢の骨格筋に筋緊張を与えて平衡を保つている。たとえば迷路からのimpulseが脊髄へ伝えられる中継点の一つとして前庭神経外側核(ダイテルス核)が重要である(第1図)。障害を受けた各受容器,中枢神経系によつて,その出現する身体動揺は各々特有な様相を示す。それは各障害部位から反射路を通つて,脊髄からのoutputという形で現われる。このoutputすなわち平衡障害の程度そのものを客観的に把え,分折することは障害の状態,程度を知るのみならず,障害部位診断にも役立つことが多い。
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