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Ⅰ.緒言
扁桃腺摘出手術の際の「ショック」および,「出血」の対策は,今後とも古くて新しい問題である。今回はその内の「出血」に対する止血法を取り上げた。その方法については,すでにいくつかの手技1)9)や特殊器具8)の報告がみられる。一般にこれらの方法に共通してみられることは,その使用目的が,主として術中の操作に中心がおかれていること,しかも,止血部位を確実にみつけ,その部位を工夫した手技や特殊止血鉗子でつまみ結紮する方法が多い。しかしながら術後数時間(ないし数日)たつて起こつてくる出血患者に遭遇し,悪戦苦闘した経験2)をもつ者にとつてはその理論と実際のアンバランスな困難性に異議をはさむものはないと思われる。
一般的な順序からいうと,①圧迫止血,②結紮止血,③前後口蓋弓縫合による圧迫止血,④輸血,⑤外頸動脈結紮などが施行されると思われる。また最近は局所の電気疑固も用いられている様である。前述の①②③の操作は,術中はともかく,術後の困難性はいうまでもない。
Postoperative bleeding after tonsillectomy is both serious and troublesome. Many methods as well as instruments for hemostasis have been reported.
The authors are reporting on a new instrument and procedure for this purpose. The essential feature of this method is to sew together the anterior and posterior pillars easily, safely and rapidly. The instrument by which this is accomplished and the method are shown in Fig. (1), (2) and (3).
The difference between the present method as compared to other's, such as Deschamps, is discused in this paper.
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