特集 耳鼻咽喉科手術の危険度
鼻
上顎神経伝達麻酔
野村 俊五
pp.729-734
発行日 1969年10月20日
Published Date 1969/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492207350
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上顎神経は,簡単にいえば,三叉神経の第二枝であつて,頭蓋内より正円管を通つて,翼状口蓋窩(Fossaと略称)上部に入り,Fossa上方を内顎動脈の終末部を越えて斜前方に走り,下眼窩裂を通り下眼窩溝に達し眼窩底を走り,下眼窩神経孔より外部に出る。その間にいろいろと分枝を出す。
よつて上顎神経を麻痺させるためには,ただFossaに入つたからといつて麻酔できるものではなく,Fossa上部において神経を探らねばならない。理想的には,上顎神経より分枝の出る前,でき得れば正円管内,少なくとも正円管の直前で遮断することである。
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