薬剤
慢性副鼻腔炎の保存的療法—上顎洞内ムコフィリン注入の効果
田口 豊蔵
1
,
西永 和男
2
1沼津市立病院
2沼津市立病院耳鼻咽喉科
pp.1117-1123
発行日 1967年10月20日
Published Date 1967/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203841
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Ⅰ.緒言
慢性副鼻腔炎の保存的治療については,過去多くの先人達の努力にもかかわらず,特に優れた方法はないようである。ことに鼻洗,点鼻あるいは塗布などの姑息的手段では満足な結果を得ることのできないことは周知の事実なのである。ただ洞洗滌,あるいはプレッツ氏置換法が現在でもなお使用の方法によつては,かなりの成績を得ることができ保存的治療法の中心をなしている。
われわれは最近Acetyl-Cysteineが閉塞性肺疾患に有効で非常に高い粘液溶解作用を有し,しかも気管や気管支粘膜およびその線毛運動に対し何んらの障害もあたえないとの報告文に接し,これを慢性副鼻腔炎患者の治療に応用し,予期以上の効果をあげることができ得たので,本剤による慢性副鼻腔炎の治療の文献がみあたらぬところからこの成績を報告し諸家の御批判をあおぐしだいである。
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