薬剤
咽喉頭,食道上部異常感症についての1考察—とくに肩,首こりとの関係
横山 俊彦
1
,
戸堂 新八郎
1
,
永江 温
1
,
岡本 昌子
1
1大阪市立大学耳鼻咽喉科学教室
pp.991-1004
発行日 1967年9月20日
Published Date 1967/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203826
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Ⅰ.緒言
咽喉頭および食道上部に長期にわたる頑固な異常感を訴えながら,その症状に相応するような他覚的所見が認められない症例が年々増加の傾向にある。これらの患者はしばしば著明な自律神経失調症,癌恐怖症が基盤となり他覚的所見に乏しいため,一般に咽喉頭神経症と呼ばれ,もつぱら自律神経調整剤および精神安定剤を主とした薬物療法および説得療法が行なわれている。
私どもはこれらの咽喉頭および食道上部の異常感患者に頑固な肩,首こりを同時に訴える者が多いことに気づき,肩,首こりと咽喉頭および食道上部の異常感の発生,およびその増強の間になんらかの関連性があるのではないかとの想定のもとに,次の種々の検査を試みると共に,精神自律神経安定剤投与群24名,自律神経安定剤+筋弛緩剤投与群25名,筋弛緩剤+消炎剤投与群41名,さらに偽薬投与群30名,計120名について比較検討したのでここに報告する。
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