薬剤
下咽頭異常感に対するホリゾンの効果について
瀬戸口 篤
1
,
志田 正夫
1
,
大磯 秀明
1
1熊本大学医学部耳鼻咽喉科教室
pp.75-79
発行日 1967年1月20日
Published Date 1967/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203722
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Ⅰ.緒言
下咽頭異常感の発現機序については,種々の見解が発表されているが,なお定説といえるものはない。しかしこの症候群は大きく分けると局所の原因に基づくものと,心因性のものに分けられよう。したがつてその治療法も多岐多彩に亘つてはいるが,口蓋垂,茎状突起,舌扁桃,喉頭蓋の切除などという局所原因の除去を目的とした観血的療法,局所の炎症や痙攣を取り去る薬物療法,さらに性および副腎皮質ホルモン,血管拡張,自律神経遮断,向精神治療という各種薬剤による全身的薬物療法や暗示療法に区別される。そしてその中核を占めているのが薬物療法で,なかでも現在もつとも使用されているのは向精神治療剤と思われる。
本剤にはMeprobamateを始めPhenathiazine系のChlorpromazine,Perphenazine,Fluphenazineがあり,1960年頃よりChlordiazepoxideが盛んに使用され,最近ではDiazepamが賞用されその効果が喧伝されている。われわれは下咽頭異常感を訴える患者(神経症)に本剤であるHorizonを使用し,興味ある結果を得たので報告する。
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