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Ⅰ.緒言
最近,化学療法,外科,泌尿器,眼科などの各学会で緑膿菌による疾患が話題となるようになつた。これは大量の抗生剤の頻用,ステロイドホルモンの乱用,放射線治療(CO60,ラヂウム,レントゲンなど)の普及,検査器具の進歩,頻用(心臓カテーテル,腰椎穿刺,膀胱鏡,その他の内視鏡など)があげらている。しかも戦後の多くの強力な抗生剤が強毒菌を目標に作られたため,弱毒菌である緑膿菌はほとんど抗生剤の影響を受けることなく,緑膿菌疾患は漸次増加の傾向を示して来た。
われわれの耳鼻科においても,このような状態は例外なく現われ,昭和38,39年の2年間における日赤中央病院耳鼻科の中耳炎526例中135例(26%)に緑膿菌が初診時検出された。しかも135例中の94例(70%)は緑膿菌のみ単独検出で,残りの41例(30%)が他菌との共存であつた。なお共存菌として黄色葡萄球菌 19例,白色葡萄球菌 6例,Diphtheroid 5例,Enterococcus 4例,Proteus 5例,Providencia 3例,溶血性葡萄球菌 1例である。つぎにこれらの症例について臨床面を主体として,気付いたことを述べる。
In 529 cases of chronic otitis media with discharge examined in the period of 2 years, pseudomonas aeruginosa was found in 135cases. In 70% of latter cases the infecting organism was found to be pseudomonas aeruginosa alone. Local application of medication appeared to be effective by 13% more than general administration. Data on this subject were collected from 68 other hospitals for furhter investigation.
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