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序言従来耳漏内結核菌の細菌学的研究は,塗抹,培養,動物試験等に於て幾多の業がある.甞て昭和12年日本耳鼻咽喉学会に於て佐藤教授の中耳結核と題する宿題報告に際して,細菌学的領域に於ても詳細なる研究が報告されている.即ち耳漏内結核菌の検出率に就いては,動物試験が最も優秀で中耳結核の75.2%,培養,塗抹検査は之に劣るも(前者は51.7%,後者は57%)之等両者に優劣の差異が殆んどないことが明かにされている.然乍ら,動物試験及培養法は一定の設備を要するのみならず多大の労力と時日を要する欠点がある.従つて塗抹標本検査は中耳結核の診断に重要なる意義を有するものである.
又従来の耳漏内結核菌検査の研究は,其の検査対照が殆んどすべて,肺結核患者或は中耳結核患者等の限定せられたものに行われており一般中耳炎患者に就いてはCemach及び中田の報告を見るに過ぎないのである.
NAGOSHI examined with use of fluorescent mi-croscope 330 cases of aural discharges in children for possible presence of mycobacterium tuberculosis as causative agent of the affections. In 30 per cent of the total number examined acid-fast bacilli were found but the greater number among them were shown to be non-tuberculous in nature.
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