Japanese
English
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他覚的耳鳴の2症例—動脈瘤性耳鳴と軟口蓋間代痙攣性耳鳴
OBJECTIVE TINNITUS AURIUM
佐々木 順三
1
Junzo Sasaki
1
1信州大学耳鼻咽喉科学教室
pp.603-606
発行日 1966年6月20日
Published Date 1966/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203606
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Ι.緒言
他覚的耳鳴は比較的まれな疾患であるが,外国ではすでに19世紀中頃よりその記載がある。本邦では1903年に久保が最初に報告している。山本1)によれば1903年から1958年までの約55年間に106例の報告がされているという。
Fowler(1939)2),Atkins(1947)3)等は耳鳴の発生原因的分類を行ない,その中で他覚的耳鳴を発生機序の相違によりいくつかに分類している。他覚的耳鳴はその発生原因の追求に非常に興味あるものが多いが,治療は比較的困難とされている。われわれは最近他覚的耳鳴の原因が総頸動脈分岐部附近の動脈瘤によるもの,および軟口蓋痙攣によるものの2症例について検査し,いささかの知見を得たので報告し御批判を仰ぐ次第である。
Two cases of objective tinnitus aurium are reported. The first case was found in a woman aged 40 and the second in a woman aged 21. These noises in one was due to carotid aneurysm and the other was due to muscular actions in the soft palate.
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