Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ι.緒言
職業として長年かなりの強大音響に曝されながら,少なくとも自覚的にはなんらの聴覚障害がなかつた人に,ある時,通常ととくに変りない状況の騒音下作業に従事中,突然高度の難聴が起るという場合がある。著者らの渉猟し得た範囲内では,このような症例の,とくにその原因についての意見を付しての発表は,河田(1959)が最初である。氏は大体において上記条件に合致する2例について述べ,さらにこの原因として,なんらかの形でその時その耳の音響に対する受傷性が増大していたためであろうという推察を述べた。その後同様の症例はMatzker und Becker(1962)が2例,立木ら(1963)が2例を報告した。そして1963年秋,第8回日本オージオロジー学会総会において立木らが4例の,河田らが16例の,ほぼ前記条件に合致する症例を報告してその成因について意見を述べた。
その後,この種の症例は騒音性突発性難聴またはIndustrial Sudden Deafnessという呼び名の下に,2,3の研究者によつて批判されるようになつた。以下本論文で騒音性突発性難聴と呼ぶものは,冒頭に掲げた条件を備える難聴のことである。
There are cases where an individual may be employed under exposure to excessive noises for a number of years without any changes occurring in his hearing acuity. Yet, the same individual may experience a sudden onset of a marked loss of hearing when he is exposed to other noises which may be otherwise considered as normal in a shop. The authors term this type of loss of hearing as, noise-induced sudden deafness. The causative factors of this malady arc discussed.
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.