Japanese
English
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鼻咽腔鰓性嚢腫の1例
BRANCHIOGENIC CYST OF THE NASOPHARYNX
佐々木 治夫
1
,
井沢 一義
1
Haruo Sasaki
1
1信州大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.845-849
発行日 1964年9月20日
Published Date 1964/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203323
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はじめに
鼻咽腔に発生する嚢腫はまれなものとされ,その報告も少ないが,この中でもっとも多いのが,Bursa pharyngeaかアデノイドに関係するものである。先天性側頸部嚢腫はしばしば遭遇する発生異常であるが鼻咽腔に発生する鰓性嚢腫(branchiogenic cyst)は極めてまれなものであり,Kully1)のように88例の鼻咽腔嚢腫を報告した人でも鰓性嚢腫は1例もなかつたという。本症は現在までに10余例の報告をみるに過ぎない。本邦においては私どもの渉猟した範囲では見出すことができないが上野・奥村2)が北陸地方会で報告した1例が本症に類似しており,この範疇に入る嚢腫ではないかと考えられる。
最近私達は本症と考えられる1例を経験したので若干の考察を加えて報告する。
The chief complaint of a male infant, aged 4, was exceedingly loud snoring. Examina-tion showed a large soft tumor in the naso-pharynx which was removed surgicall. The growth proved to be a branchiogenic cyst.
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