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鼻咽腔線維腫は若年性頭蓋底線維腫或は鼻咽腔血管線維腫或は線維性鼻咽腔ポリープと呼ばれ,その特徴の一は頭蓋の發育の最も旺盛な15才〜25才の間に發生し,身體及び骨の成長が止る時期に腫瘍は發育を停止し,或は次第に退行變性萎縮を示して來る。後頭骨頭蓋底骨縫合,上咽頭後壁,耳管口附近,或は楔状骨,篩骨底より發生し,腫瘍の基底は廣基性で上咽頭壁より後部鼻腔天蓋に亘る事が多く,周圍組織と密着するため基底を決定し難い場合が多く,特に手術操作を受けたるものでは癒着強く基底の判定は困難である。發育は思春期を通じ除々に常に膨脹性に抵抗の弱い部分を辿り,増大して行くので上咽頭を充すと共に何れか一側の鼻腔を充滿するに至る。
急性炎症,外傷,或は不明の原因にて急激に増大する事があるが組織學的には完全なる良性腫瘍であり,又決して轉位を起さず壓迫による骨吸收,周圍組織の高度の破壞を起すが,手術等の手技を加えない限り周圍とは癒着しない。若年者に見られるものでは成長遠く時に肉腫化し天蓋を破壞し腦膜炎を起し死の原因となる。青年期以前に於ては發育は一般に遠で極めて出血し易く,發生部位が解剖學的に特殊で手術困難な爲に臨床的には惡性腫瘍と見做される。
YANAGINO says that the easiest and safest approach by which fibroma of nasopharynx may be exposed for irradiation with radium whereby excessive presence of young capiliarles may be to some extent obliterated which will facilitate later exterpation of the growth in piecemeal by multiple sittings is by means of lateral rhinotomy. Four cases of similar nature are reported.
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