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Thrombelastographyによる筋注用トロスチン(TSE-273)の止血効果についての検討
関谷 忠雄
1
,
板谷 純治
1
1国立名古屋病院耳鼻咽喉科
pp.765-768
発行日 1963年9月20日
Published Date 1963/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203114
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Ⅰ.緒言
止血剤は日常診療にあたり必要とする場合が多く耳鼻咽喉科領域の手術に際しては止血剤として各種の薬剤が広く用いられそれぞれ効果が検討されている。われわれの臨床においても先に静注用トロスチンの止血効果についてThrombelastographyにより検討した成績を発表した。最近中外製薬K. K. より従来の静注用トロスチンすなわち牛脳の組織トロンボプラスチンよりえられた燐脂質であるトロスチンと種々の血液凝固因子の破壊や,毛細血管透過性の亢進,アレルギー症状,アナフィラキシー,ショックの原因とも考えられるプラスミンの働きに拮抗する抗プラスミン剤であるイプシロンとの混合溶液で,溶媒の工夫により筋注可能となつた新止血剤筋注用トロスチン(TSE-273)が提供されたので早速その止血効果をThrombelastographを用いて検討してみた。
以下その成績について述べる。
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