くすりの副作用
筋注用ケナコルトAと注射局所萎縮
中山 喜弘
1
1埼玉医大小児科
pp.1204-1205
発行日 1974年9月10日
Published Date 1974/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205580
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抗アレルギー剤とは
抗アレルギー剤とは,アレルギー疾患に対する治療剤を意味する.しかし,"ではアレルギー疾患とは何か"ということになると定義があいまいで,はっきりしない場合もある.
Coombsら(1968)は,アレルギー反応とそれに伴って起こる疾患を4つの型に分けることを提案し,現在,この分類法はひろく用いられている.それによると,I型はアナフィラキシー型あるいはレアギン型とよばれ,レアギン抗体(IGE)が関与し,喘息,アレルギー性鼻炎,蕁麻疹,アトピー湿疹などがあり,II型は細胞溶解型といわれ,細胞自身が抗原となり,これに抗体が結合して細胞自身が溶解する場合であり,自己免疫溶血性貧血,橋本病がこれに属し,III型はアルサス型ともいわれ,抗原・抗体結合物に補体が結合して組織障害を起こす場合で,血清病,農夫症,SLEがこれに属し,IV型は遅延型アレルギーで,ツベルクリン型として代表され,多くの感染アレルギーや臓器移植の拒絶反応がこれに属する.したがって,これらのいずれかの疾患に作用する薬剤は抗アレルギー剤と称してさしつかえないわけで,極めて広範囲の薬剤を含むことになる.
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