Japanese
English
薬剤
トロスチンに関する知見—臨床的,実験的検討
Clinical and Experimental Study of Trostin
杉原 博
1
,
阪田 光昭
1
,
志水 浩
1
,
小野 晶美
1
,
吉田 茂
1
Hiroshi SUGIHARA
1
1岡山大学医学部砂田外科教室
pp.755-759
発行日 1959年7月20日
Published Date 1959/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202432
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われわれの教室において止血剤を必要とする症例は,肺,縦隔洞腫瘍,食道癌手術時などの癒着剥離面よりの後出血,胃癌手術時の広汎リンパ腺廓清巣よりの後出血などが大多数を占め,また黄疸などの肝障害を合併し,このため凝固時間の延長を示す手術患者,バンチ氏病などの際に術前より投与する例である.少数ではあるが最近の手術侵襲の拡大とともに,保存血大量輸血に伴う出血傾向発現例があり,これは多くの場合致命的合併症であつて強力な止血剤を必要とする.現在多数の止血剤が市販されているが,その止血機構に関与する性質が異り,従つて臨床的な適応も自ずと分れてくる.
われわれは最近中外製薬よりTrostinの提供をうけたので,本剤の止血機構に対する作用機序と臨床効果について検討を加えてみたい.
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