注射事故について・5
殿部筋注(2)
赤石 英
1
1東北大学医学部・法医学教室
pp.1253-1256
発行日 1975年12月1日
Published Date 1975/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917399
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危険な殿部上外1/4
内外のほとんどの看護学教科書は,殿部の筋注部位として,‘殿部上外1/4’あるいは‘殿部上外1/4の内角部’を指示しておりますが,後者は部分的に前述のグロス三角と重なる部位であり,筋注してはならない部位であることは明らかです.また,殿部上外1/4といいますが,片側殿部を,腸骨稜頂点と下殿ヒダの間で上下に2分することは容易でも,さて,左右に2分することは簡単ではありません.つまり,殿部の外端はどこかによって違ってきます.
この殿部外端の位置については2説あり,大転子を通る縦の線までを殿部とする人と,腸骨前上棘(正確には,上前腸骨棘)を通る縦の線までを殿部とする人があります.そのいずれかによって,片側殿部の内外の2等分線の位置が変わってきます.
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