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筋注用テラマイシンによる淋疾の治療
谷村 保夫
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1大阪市立大学医学部皮膚科泌尿器科教室
pp.43-45
発行日 1956年1月1日
Published Date 1956/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201596
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Finlayおよびその共同研究者1)によつて1950年発見されたテラマイシン(オキシテトラサイクリン)はHendricks2)(1950)によつて淋疾に有効であることが報告されて以来,Werner3),Welch4),市川5),平松6),加藤7),土屋8)などの諸氏によつて使用され,何れもその効果を認めている。しかしこれらは内服によるものであつた。その後,本剤の静脈注射用が出来たが,静脈血栓を起す危険があり,余り使用されていない。ところが,最近本剤の筋肉注射用が製作され,静脈注射用の欠点はなく,しかも経口的に比して,迅速で,高濃度に血中に移行きすことが出来る。
筋汁用テラマイシンはBen Seid9)が淋疾12例に100mg1回の使用で何れも完治さすことが出来たと報告したが,土屋氏10)などはこれを検討し,13例の淋疾中,8例に100mg 1回の筋注を行い,4例は再発,そのうち1例および他の1例を100mg 6時間ごと2回計200mgで治癒せしめ,また他の4例は200mg 1回で完治せしめ,Ben Seidの方法では淋疾を治癒せしめることは困難で,100mg 2回法あるいは200mg 1回法が望ましいと述べている。
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