Japanese
English
綜説
小兒に対する筋注麻醉の應用
Application of Muscle Administration Anesthesia for Children
勝屋 弘辰
1
,
江口 健男
1
Hirotatsu KATSUYA
1
,
Tateo EGUCHI
1
1熊本大学医学部第2外科
1The Second Surgery, Medical Department, Kumamoto University
pp.707-715
発行日 1954年10月20日
Published Date 1954/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201525
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I.緒言
小児の麻酔法は従来,種々の方法が工夫,発表されてきたが,それらには各々利害得失があつて,小児の生理的並びに精神的特殊性,あらゆる種類の手術に応用できる方法の普遍性,わが国の経済上の制約からの隘路(例えば,第1級病院におけるような陣容,手術間の完備の欠如)等を一挙に解決しうるような麻酔法は残念ながら存在しなかつた.
しかも,アメリカの影響によつて,麻酔の進歩発達は目ざましいものがある.このため,いままで主として行われた局麻一点張りの手術はもはや存立を許されない段階に立至つた.一方すでに,ヨーロッパでも,近代麻酔学は,その方法においても,精神愛護的方法(das die Psyche schonendeVerfahren)であることを要求していたのである.
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